TAKAAKIの図工室2023
奥村高明作品集
私は、幼い時からよく絵を描いていたそうです。通知表は図工や美術の成績だけが4か5で、基本的には問題児だったと思います。教育学部の美術科に進んだのも、目指す法学部に落ちたからで、好きなことができればいいという程度でした。大学はデザイン研究室に所属しましたが、真面目でもなく、担当の小寺尚先生の御配慮で何とか卒業できました。
教育実習で教育の面白さに目覚め、卒業後は中学校(美術)や小学校、大学附属小学校等で勤務しました。「学校の先生」は保護者や住民などいろいろな人々と交流が生まれる職業です。その縁から報告書の表紙、看板、観光グッズなど絵を描く機会が増えていきました。
一番の出会いはデザイナーの萩原さんとの出会いです。素人同然の私にポスターのイラストやコピーなどいろいろな仕事を頼んでくれました。おかげで多くの作品が人々の目に留まることになり、職場以外の仲間も大勢できました。
ただ、2005年から東京で働くことになり、雑誌原稿や文書作成、論文や著書、講演など言語的な仕事に専念することになります。絵や工作はすっかり疎かとなり、腰を据えて絵を描く機会はなくなりました。
ところが2022年、18年ぶりにコンサートポスターのイラストを描く依頼がきました。体力や老眼など、若いころのようにはいきませんでしたが、今できる全てを注ぐことはできました。コンサート会場では原画展も行われます。「じゃあ図録もつくろう」となって出来たのが本書です。
本務は学校の「先生」ですから、絵については所詮アマチュアです。ただ、多くの人々や仲間たちのおかげで、作品を制作することができました。素人の作品ですが、この図録を手に取った方が「あ、見たことある」と思っていただけたら何よりの喜びです。
ーTAKAAKIの図工室2023 本文より抜粋ー
TAKAAKIの図工室2023|奥村高明作品集 2023年4月発行
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